※毎度ながら格好いい斎藤はいません。ムッツリな斎藤しかいません若干下品だよあれっイメージってなんだっけ。先に謝っておきます。本当にすいませんでした後悔はしてませんが全力で反省してます。この時点で嫌な予感がした方や不快に思った方は速やかに窓を閉じてください今ならまだ間に合います読んだ後石投げないで下さいね!合言葉は「これは酷い斎藤」。飲み物は飲まずにお読みください





「!さ、斎藤さん…!」

良い所に!…と付け加えて言ってきそうな口調で声を掛けてきた人物。女特有の高い声。視界には手を大きく振ったのち慌てたようにこちらにやってくる1人の女子の姿があった。…やはりあんたか。日の本広しというが、ああもぶんぶんと手を振る女子はそうそういないのではないだろうか。ついでにいうと、これほどまでに短い丈の着物も(セイフクと言うらしいがこの際呼び名はどうでも良い)。…何度も言っているが、あんたはもっと肌の露出を控えるようにだな…。「そ、そんなことより!」そんなこととはなんだ。

「た、助けてください!」

切羽詰った様子で乞うに、何かが起こったというのは明白だった。まさか襲われでもしたのだろうか。乱暴でもされたか。慌てて目の前の彼女を見てみるも、特に衣類が乱れていると言う訳でも、怪我をしたというわけでもなさそうだが。しかし相変わらずは落ち着きが無い。

「あの、えっと!そ、そこに…!あの…、わ、私…っ!」
「…、落ち着け。…一体何があった」
「……あの、何っていうか…!……こ、怖い、の…っ!」

ぎゅっと着物の裾を掴んで、おそらくは何かあったのであろうことを思い出しているのだろう、俯き、硬く目を瞑っている。これは只事ではない。しかしはすぐにはっと我に返り、「すみません…!斎藤さん急いでたんですよね!」と慌てて言ってくる。…ここまで怖がっている知り合いを放って行けるほど、俺は冷徹なつもりはないのだが。

「…特に急ぎではない故、構わん。それで、何があった。…詳しく話せ。…大丈夫だ」

俺は坦々と話す癖がある故、不安にさせぬよう、冷たく思われぬよう極力ゆっくり話すことにする。そうしてその甲斐あってかゆっくりと顔を上げると目が合う。いつもならば気恥ずかしさから即座に逸らしてしまうが、今回ばかりはしてはいけない。彼女の瞳は、いつもより潤んでいた。





「…あんたは動物が好きなんじゃなかったのか」
「あ、あああああ、あんなおっきいのは無理です!怖いです!迫力が!もっとこう、ちっちゃいのがいいんです!ミニチュアダックスとか!トイプードルとか!そういうものが守備範囲なんです!」
「(みにちゅ…?とい…?)…大きかろうと小さかろうと、同じ犬には変わらないと思うが」
「全然違いますーっ!」

は何やら泣きそうな声で必死に説明している。…が、何があったかと思えば。目の前には大きな犬がいる。よく見る柴犬とは比べ物にはならないほど図体がでかい。1、2歳程度の子どもとこの犬と背比べをしたら、前者は負けるだろう。それは認める。が。…これの何が怖いと…?その当の本人を見てみれば、先程から俺の後ろに隠れてびくびくしているが。そんな彼女を面白がってか、まるでからかうように大きく一回吠える犬。すると彼女は小さな悲鳴を上げて、更に背中にすがるように隠れてきた。

どうやらはこの道を通りたいらしい。しかしその道の中央に犬がいるため、それが出来ないと言う。首には繋がっている縄から、どうやらこれは飼い犬らしい。しかしそれを器用に格子窓に通して簡単にではあるが結んでいるため、遠くには行けないのだろう。…これはこやつの主人が一時的にやったのだろうか。どちらにせよ縄の長さから行って、人一人通るには支障ないように見える。例え噛み付こうとしても、長さが足りず失敗に終わるだろう。しかしからしてみれば、「いつ何の拍子で結び目が解けてもおかしくないから通れない」らしい。加えて言うなら、「ただ通るだけでも怖い」らしい。…そういうものなのか…。確かに普通の犬よりも大きい故、にとっては威圧感を感じるのかもしれんが…。

「…。犬は主従関係に敏感だ。おそらく吠えるたびに驚くあんたを格下だと思い、からかっているのだろう」
「そ、そんなこと言われても…」
「ワンッ!!」
「きゃ…っ!」
「!!?」

突然前触れもなく犬に吠えられたからだろうか、反射的にすがるように俺の左腕に抱きついてきた。は必死なのだろうが、俺はその瞬間ガチリと氷のように固まるしかない。は何を!して!一気に全身が熱くなる俺に知ってか知らずか、は離れる素振りをするどころか目の前の吠え続ける犬に怯えすがるように強く抱きついてくるから本気で爆発するかと思った。

「…っ!手を離せ!腕が…っ!」
「嫌です無理です食べられちゃいます!ほらワンワン言ってる!襲い掛かってきそうなくらいワンワン言ってる!むしろバウバウ言ってる!怖いじゃないですか!」
「犬は人間を食わん…!」
「犬だってしょせん肉食ですーっ!」

論と言うものがまったくもって通ってない故何を言っているのかちっとも分からないが、要するにそれくらい本気で怖がっていると言うのは分かった。のだが、先程も言ったように、腕を開放してはくれないだろうか。は必死らしいのだが、その…だから…!

「だから先程から!その、あんたの、その…っ!…だ、だから…っ、当たって…!」
「当たって砕けろってことですか!?斎藤さん!私に突撃してこいって言ってるんですか!?む、無理です…!私、いくら斎藤さんの頼みでもそれだけは聞けません!本当に泣いちゃいます!」
「そうじゃない!…だから…!…っ、あんたは恥じらいというものがないのか…!察しろ!」
「怖いものは怖いんです!犬に怖がってぶるぶる震えるのが恥ずかしいなんて言ってられません!しょうがないじゃないですか!」
「(そういう意味ではない…!)」

俺が言っているのはそんなにぴったり抱きつくなという事で…!先程から腕に、柔らかい感触が…!本人は気付いていないのか!?それは女としてどうなのだ!?…いや俺は決して不快な訳ではないのだが…。…い、いや!だからと言って別に!そういう意味では!

「…さいとうさん…」
「(…うっ!?)」

そんな潤んだ目で見上げてくれるな…!思わず胸を鷲掴みされたかのような感覚にまで陥る。俺はどうやらに弱いようだ。それに相変わらずぎゅっと腕に抱きついている辺り、彼女の必死さを物語っている。ように見える。な、なんだこれは。なんなのだ。心なしか艶っぽく見える。それにの頬に朱がさしているように思えるのだが。…いつもより愛らしく見えるのは何故なのだろう。(いや、別にいつもは違うと言っている訳ではなくだな…!…違う、そういう話をしているのではなく…!)

「あのね、その…だから…。…お願いします斎藤さん。私と一緒に…行って…?」
「!!?!?(…い、一緒にイって、だと!?こ、これは…!?)」
「あの向こう側まで」
「……………………」
「?斎藤さん?どうかしました?」
「……いや、何でもない」
「え?でも…」
「何でもないと言っている。気にするな、忘れろ」
「いやでも今…物凄くがっかりしたような顔をし、」
していない頑固していないあんたの気のせいだ錯覚だ


※その後、とりあえず未だにバウバウ五月蝿い犬に一睨みして黙らせたのちを送っていったのだが、若干気まずかった(俺が)





さよなら純粋だった僕





20110420 「ムッツリ斎藤自重しろ」タグロック入りましtすいませんすいません石投げないでええ