★どうやら犬を拾って帰ってきた風間くんに、天霧くんは内心ぷんすかしているようです
「…風間、なんですか?これは」
「フン、貴様は目も悪くなったのか?見ての通り、子犬だ。」
「それは言われなくても分かります。私が聞いているのは、何故子犬がここにいるのかということです」
「こいつはただの野良犬ではない。今日から風間家の番犬となる犬だからな」
「ばんけ…。…………」
「クゥーン」
※天霧くんの番犬のイメージ:目で殺せそうなくらい目付きが悪い。図体もしっかりしてる。警戒心が強い
目の前の犬:きらきらでつぶらな瞳。ちっこい。初対面のはずの自分にも今こそ千切れんとばかりに尻尾を振っている
「………………」
「なんだ。その何か物言いたげなその顔は」
「…番犬にしてはいささか頼りない気がしますが」
「そのうち大きくなろう」
「そもそも今は薩摩との関係が最重要であるはず。…この状況で犬を拾ってくるなど関心出来ることでは、」
「貴様は俺の世話係か何かか。小言は寝て言え。そもそも俺はお前に指図される筋合いはない」
「指図ではなく指摘です」
「似たようなものではないか」
「ワン!」
「ほう、お前も俺に同意するのか。たかが野良の子犬と思っていたが、なかなか賢いと見える。流石俺が見込んだ犬だ」
「クゥーン」
「…随分懐いているようですね」
「やはり犬にも、俺が只者ではないということが分かるのだな。この服従っぷり、見ていて気分が良い」
「(……愚かだ…単純すぎる…)」
「?なんだ」
「いえ。…しかし、確かにここまで風間に懐いていては、捨てて来いとは言えませんね」
「貴様はどこまで器量の小さい男なのだ。そもそもこの俺が飼うと決めたのだ、誰にも捨てさせん」
「ならせめて最低限、この犬はあなたが面倒を見てください。…勿論私は一切関わりませんが」
「面倒…?フン、何故この俺がそんなことをせねばならんのだ。天霧、貴様が見ろ」
(°д°) ※本気でぶき切れそうになった天霧くん
★どうやら風間くん節は絶好調のようです
「なんだ。ならば貴様は、この子犬が餓死しても良いと言うのか?」
「そんなことは言っていません。むしろ、そうならないようにあなたが世話をしろという話で、」
「だから、何故俺がそのようなことをせねばならぬ。風間家頭領のこの俺が」
「……やはり、この子は私が捨ててきます」
「何故そうなる。捨てるのは良心が痛むといったのは貴様だろう」
「むしろ風間の犬になるのは、この子の将来が哀れです。きっと野良のままのほうが幸せな日々を送れるでしょう。全てはこの犬を思うがゆえの決断です」
「なんだ。俺の側にいたらこいつが不幸になるとでも言うのか」
「その通りです」
「なんだと…?天霧、貴様…!」
「おう、風間に天霧じゃねえか。どうしたんだ?そんな睨み合ってよ」
「…フン、不知火か」
「俺じゃ悪りぃのかよ…って、ん?なんだこの犬」
「犬だ」
「そんなの見りゃ分かんだよ」
「クゥーン」
「お、人懐っこいなこいつ。俺鬼だけど」
「…寒いな。さて、今日はこんなにも冷え込む日だったか…」
「寒いですよ不知火」
「うるっせえよてめえら」
20110403