トリップ娘と土方くん



★どうやら斎藤くんが大声を出したので、騒ぎを聞きつけて我等が副長くんもやってきたようです
「騒がしいぞてめえら!何やってやがる」
「…なあーんだ。土方さんじゃないですか」
「(!ひじかたさん…て、副長さんのことかな!あ、あの人が…!)」
「俺で悪かったな総司。…ったく、一体何の騒ぎだ」
「ふ、副長…!も、申し訳ありません!」
「ねえ分かってる?一くん。土方さんが言ってる騒ぎっていうのは、君が大声を出したことを指しているんだよ」
「あんたは黙っていろ」

「斎藤が…?どうせ総司が変なことでも言ったんだろ…て。誰だお前。部外者は勝手に入ってくんじゃねえ」
「え?あ、えっと!わ、私、は…!」
「誰って…前に言ったじゃないですか。千鶴ちゃんに会わせるって言ってたちゃんですよ。流石土方さんだなあ。ついこの間話したばかりなのに、もう忘れちゃうだなんて」
「話は覚えている。ただ、ならそうならそうと、まず副長である俺のとこに通してから千鶴に会わせるべきだろって言ってんだよ」
「なんですか?土方さん、ちゃんに会いたかったんですか。へーえ?ふーん」
「なっ!?そ、そうなのですか副長!」
「そういう意味じゃねえよ。ただ近藤さんから留守を預かっている以上、」
「一応最初に部屋までは行ったんですよ?でも土方さん、嬉しそーっな顔して文机に向かってるから、趣味の邪魔しちゃ悪いかなあと思って」
「な!?おま…っ総司!?お前また勝手に覗いて…!」

「はいはい堅っ苦しい話は置いといてー。…で、ちゃん。こちらの、目付きが悪くて眉間に皺が寄っているのが土方副長さんだよ」
「悪かったな目つきが悪くて」
「そうひがまないで下さいよ」
「あ、えっと…!は、初めまして!です…!」
「……土方だ。総司から話は聞いている。だが部外者を長居させる訳にはいかねえ。用が済んだならとっとと帰れ」
「(わわっ!副長さんてクールなんだな!なんか格好いいな!出来る男オーラがあるっていうか!)」
「うわ。酷いなあ土方さん。近藤さんはゆっくりして貰うように言ってたじゃないですか」
「ここはゆっくりするような場所じゃねえだろ」

「………………(わー…)」
「…なんだ。人の顔じっと見て」
「あ。す、すみません…!えっと、あの!あの!うまく言えないんですけど!」
「…ああ」
「色も白いし、髪も綺麗だし、すっごく格好いい人なんだなあって思って!男前って、土方さんみたいな人のことを言うんですねっ!出来る男って感じがします!」
「え、あ。……コホン」
「うわ土方さん照れちゃって。何今の咳払い。さっきまでの勢いはどこにいったんだろうね」
「…………………………」
「黙れ総司そして黙るな斎藤」



★どうやら斎藤くんは動揺しているようです
「(よ、容姿端麗…出来る男…とことん褒め殺しだ。の目から言って、これは本心から言っているのだろう。ここは流石副長だと思うべきところなのかもしれないが…その、あまりいい気分はしないのはなぜなのだ…。はもしかして副長のような男が好み…?!い、いかん!もっと正常心を持て…!)」
「……ふうん…。…ねえ土方さん。耳貸してくださいよ耳」
「てめえに貸す耳はねえよ」
「そう言わないで下さいよ。…実はですね、────で…」
「な!?おまっ!総司!勝手に人のものを!」
「まあまあ。…そしたらちゃん、土方さん────すきだって言ってましたよ」
「!…ほ、本当なんだろうな」
「本当ですよ。嘘言ってどうするんですか」

「(な!?す、すき!?総司は今、は土方さんのことがすきと言ったのか!?あまりよく聞こえなかったが、すきと言ったか!?い、一体どういう…!やはりは、土方さんのことがすきなのか!?だからあんなにも褒め言葉を言ったと思えば納得が…!そして副長が心なしか嬉しそうに見えて…?い、いや待て落ち着け。もっと冷静に…!)」



★どうやらトリップ娘は、見事土方くんの好感度桜を咲かせたようです
「…その…、っつったか」
「はい!なんでしょう土方さん」
「…お前、その…す、すきなのか」
「はい?何をですか?」
「だからその、俺の…──だよ」
「あ。は、はい…!えっと、す、すきです…っ!」
「(が照れている…だと!?い、一体どういう…!しかもすきと言った…!これは…!?)」

「そういえばちゃんさ、土方さんと色々話してみたいって言ってたよね」
「(な…!総司、お前は一体何を…!?)」
「なんだ、そうなのか?」
「は、はい…!で、でもあの、私…あれについては全然知識とかなくて…。だからその…、恥ずかしいんですけど…」
「(『あれ』…?知識…?何のだ…?)」
「最初はみんなそういうもんだ。別に恥じることはねえ」
「(だから何を…!?駄目だ、全く分からん…。3人の中では、会話は成立しているようだが…)」

「そうだ。どうせなら土方さんが教えてあげれば良いんじゃないですか?」
「え?で、でも…お忙しいのに、そんな…!」
「俺はかまわねえ」
「え!ほ、本当ですか!」
「(な…副長!?)」
「丁度仕事も一区切り付いてたとこだしな。休憩がてら、色々教えてやるよ。…なかなか興味がある奴に会うこともねえしな」
「(興味!?副長はに興味を持ったということなのか…!?)」
「い、良いんですか…!ありがとうございます!わ、私、すっごく嬉しいです!」
「(嬉しい!?)」
「良かったね、ちゃん」
「はい!ありがとうございます沖田さん!」
「………………………」



★どうやら土方くんとトリップ娘は、副長の部屋に行ったようです
「どうしたの一くん。なんだか呆然としてるけど」
「当たり前だ。一体何お話を…。俺は全く分からなかったのだが(心なしかやたら楽しそうにしているように見えるのはなぜだろうか)」
「え?だから、ちゃんが土方さんに手取り足取り教えられるって話だよ」
「な!?(手取り足取り!?)…だ、だから、それは何をだと聞いてる!」
「それは言えないなあ。ほら、一応個人的なことだから?僕からはちょっとね」
「…こ、個人的…?……!ま、まさか!いやしかし副長がそんな…!」
「そう?土方さん、ちゃんにすきって言ってもらえて凄く嬉しそうだったし、満更でもなさそうだったよね?」
「…………………っ!」
「あれ?どうしたの一くん」
「………。よ、用を思い出したので、これで失礼する…!」
「うん。じゃあねー」



★どうやらずっと黙ってことの経緯を見ていた千鶴ちゃんが沖田さんに話しかけたようです
「……あの…沖田さん」
「ん?なあに?千鶴ちゃん」
「えっと、事情をよく知らない私が言うのもなんですが…斎藤さん、物凄い誤解をしたと思いますけど…」
「うん。なんかもうさ、すっごい楽しみだよね!
「(やっぱりわざとだったんだこの人…)」



201201(なんかもう…すみませんすみません!^q^)