トリップ娘と斎藤くん
★どうやら風間くんは帰って行ったようです。実に嵐のような人でした
「…」
「あ!斎藤さん!こんにちは!…あ、聞いてください!私、今おともだちが出来たんですよ!すごく嬉しいです!」
「…そうか、良かったな」
「はい!…あ、でも、次は女のおともだちも欲しいなあ…」
「!!!???」
がしゃーん
「え、さ、斎藤…さん!?」
「…すまん手が滑った」
「いや、どう手を滑らせたら腰に差してた刀が落ちるんですか。…大丈夫ですか?斎藤さん。なんかその…変ですよ?」
「手が滑ったと言っている。…大丈夫だ。刀は生きているからな。こういうこともあろう」
「(いやいやいや…)……わ、分かりました。斎藤さんがそう言うんなら…そういうことに…」
「…ああ…(次は女友達が欲しい…ということは、つまり今日できたという友人は男ということか…?そういうことなら初対面の女に奢ったという話にも合点が行く。つまりそいつはのことを女として見ていて、こいつに良い所を見せたかったのだろう…。くっ、なんという男だ…!はそのことに関して全く気付いていないのか…?下心のある男など、すぐに見抜きそうなものなのに…。やはり友人がいないというのがそんなにも隙を与えてしまうものなのだろうか…。こいつに女の友がいれば、少しはこういう事態も防げそうな気もするのだが…)」
※一番彼女に下心を持っているのは実は自分であることを、全く自覚していない斎藤くん(いろんな意味で恋は盲目である)
★どうやら未だに斎藤くんはぐるぐる頭を回して考えているようです
「──だから是非…って、斎藤さん?ちゃんと聞いてます?」
「(はっ!)あ、ああ、すまない。何の話だったか」
「んもー。だから、気に入ったからまた一緒に行きたいなって話ですよ」
「…………気に入った…?…一緒……?」
「はい」
「(…つ、つまりそれは、その男と共に遊びに行きたいということか…?そ、そんなにそのタラシ男が気に入ったのか!?そして何故それを俺に言う!?ま、まさか、俺がいつも消極的だから、他の男の所に行くということを言われているのか…!?もっと積極的に来いと遠回しに言われているのか!?)」
「(うーん…。一応デートに誘ってるつもりなんだけど…もしかして斎藤さん、気付いてない?こんなに直球なのに?お食事くらいだったらすんなりOK貰えると思っていたのが甘かった…?あー、真面目そうだしなあ、斎藤さん…。もしくは忙しいとか…。それともうどんじゃなくて蕎麦派だった?…あ、ありそう。凄くありそう。あとやきもちなんて焼いてくれるかなーと思って風間さんのことを話してみたものの…あんまり効果は望めなさそうだなあ…あーあ)」
※斎藤くんの解釈=「(その男を)気に入ったから、また一緒に(どこか遊びに)行きたいな」
※実際の意味=「(そのうどん屋が)気に入ったから、また、(その店に斎藤さんと)一緒に行きたいな」
★どうやら斎藤くんが勇気を振り絞って聞いたせいで、完全に彼のキャラが崩壊したようです
「……。その…つかぬことを聞くが」
「はい?何ですか?」
「…その男と俺だったら、その…どちらが……、………す……」
「酢?」(ありがちな変換)
「い、いややはり何でもない気にしないでくれ聞かなかったことにしてくれ忘れると良いむしろ今すぐに忘れろ!」
「(風間さんと斎藤さんだったら、どちらが酢…?え、もしかしてどっちのほうが好きだってこと?とか?)…え!もしかして!やきもち焼いてくれました?本当に!?」
「な!?ち、違…!だ、誰もあんたが男と食事したという話を聞いて動揺しただとか嫉妬したなどとは言ってないだろう…!」
がしゃーん(また刀が落っこちたらしい)
「(え!え!うわああ!ほ、本当に焼いてくれたんだあ!あの、斎藤さんが…!)」
「…──であるからして、お、俺はそんなに心の狭い男ではない!」
「……………………(うわ、なんか嬉しすぎて泣きそう…)」
「…え。(な、泣かせた!?)い、いや、その…!す、少しはその…そういうことを…ふ、不快に思っていないことも、ない」
「……ほ、本当ですか斎藤さん…!」
「(くっ…またやられた…!)」
★どうやら斎藤くんのトリップ娘に対する好感度のゲージが完全に振り切ったようです
「だから、俺はその…友人とは言え、あんたが他の男と会っているというのは……その…あまり嬉しく、ない…」
「………………………………」
「いやしかし、にとっては数少ない友人であるし、大切にしたいと思っているのは…分かっているつもりだ。……つもりなの、だが……その……──すまない、ただの我が侭だな。忘れてくれ」
「そんな!絶対忘れません!」
「な!?」
「だって、すごく嬉しいです」
「嬉しい…?醜い嫉妬心がか?」
「はい。そういうもんなんです」
「……そうか…なら良いが…(女子とは…やはりよく分からない…)」
「それに、心配しないで下さい!私の一番はいつだって斎藤さんですよ!」
「なっ…!だ、だから。どうしてそういう恥ずかしいことを平然と言えるんだあんたは!」
「え、斎藤さんは違うんですか?」
「…え?いや、その……それは……ええと、あれだ……ち、違うことも、ない……というか、なんというか…」
★どうやら巡察中だった沖田くんと永倉くんが、一部始終をばっちり見ていたようです
「あのさ総司、あれは本当に斎藤か?俺疲れてんのかな幻覚でも見てんのかなむしろ誰だあいつこんな白昼堂々イチャつきやがってなんかもう適当に理由付けて今すぐ斬り殺してやりてえ」
「現実逃避はやめなよ新八さん。あれはまごとうなき一くんだよ。見てよあの耳まで真っ赤になってさ、本当に傑作だよね。僕もう笑いすぎてお腹が痛いよ。それにしても、またひとつ一くんをからかうネタができたな。本当ちゃんてば流石だよ」
「(お前は本当性格歪んでるよな流石だよ)」
「それにしても、ちゃんが女友達を欲しがってるって内容だったように聞こえたんだけど、彼女と千鶴ちゃんが会ったらどうなるんだろうね」
「ああ、確かに。…考えてみりゃ千鶴ちゃんもこの京に女友達なんていねえし、ちょうど良いんじゃねえか?(ていうかって言うのかあの嬢ちゃん)」
「うん。なんかさ、面白いことになりそうだよねていうかならなきゃおかしいよむしろ面白くしよう」
「とりあえず、お前が考えてることを考えたくねえや(あーあ、俺知ーらねっ!)」
★20100522 次回!いつ更新されるか分からないけど「トリップ娘と千鶴ちゃん(仮)」に続く!かもしれない!えええ沖田さんてばなんてことを!!^q^